妙法蓮華経薬王菩薩本事品第二十三 　　
　　 経文 　　
宿王華。此の経は能く。一切衆生を。救いたもう者なり。此の経は能く。一切衆生をして。諸の苦悩を離れしめたもう。此の経は能く大に。一切衆生を饒益して。其の願を充満せしめたもう。宿王華。汝当に神通の力を以て是の経を守護すべし。所以は何ん。此の経は則ち為れ。閻浮提の人の病の良薬なり。若し人病あらんに。是の経を聞くことを得ば。病即ち消滅して。不老不死ならん。
　　
　　 　　
　　 現代語訳 　　
　「宿王華よ。この教えはよく一切衆生を救うものであります。すなわち、すべての人を、もろもろの苦しみから解放し、豊かな利益を与え、その願いを充足させるのであります。」
　「宿王華よ。あなたは会得した神通力を尽くして、この教えを守護しなければなりません。なぜならば、この教えは、全世界の人々の病気の良薬であるからです。もし病気を持つ人がいて、この教え聞くことができたならば、その病気はたちまち消え失せて治ってしまい、不老不死になってしまうことでしょう。」
　　
　　 　　
　　 内容と意義 　　
　青経巻のこの部分は、『薬王菩薩本事品第二十三』からの二ヵ所の抜粋文がつなぎ合わされています。二ヵ所ある「宿王華。」以下が、それぞれ別の抜粋文です。共に、法華経の功徳の大きさが端的な言葉で説かれた箇所です。
　　
　　 　　
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